2017年10月12日(木)明治神宮の杜・新宿御苑 研修会

 参加者:9名

                                       報告者・原 芳彦

 ■コース:9時半集合  明治神宮第1鳥居→南参道(途中横道に入りながら)→大鳥居→西参道→宝物殿前で

昼食後→北参道方面へ→代々木方面→新宿御苑千駄ヶ谷門→御苑内観察→新宿門から帰路  午後2時半解散

 ■講 師:二宮靖男氏

  日本の公園の父とも言われる本多静六博士は昨年生誕150周年を迎え、改めてその偉業が見直されています

国内で数多くの公園設計に携わっていますが、その代表的な一つが明治神宮の森です。

 100年の森づくりの壮大な構想の下に大正4年から森づくりが始まり、現状を観察することは森林に関わるもの

として、大変関心もあり、大いに勉強になりました。始めに参加者の自己紹介をした後、二宮講師から本日の

観察経路と見どころの話があり、神宮の森は造成時に全国から集められた常緑広葉樹で構成されていること、

天然更新を基本とし、極力人の手を加えないので、落ち葉1枚でも森に返すようにしていることなどの説明があり

ました。

 観察ツアーの前に第1鳥居で参加者全員の写真撮影。

早速、この第1鳥居の左手のクスノキは、本多博士の生誕地である川原井村(現在の久喜市)から造成当時に移植

されたものとの説明。

 その後、第1鳥居から、左手の車道路に入るとオオアカガシの大木があります。

 アカガシの変種で、都内では希少な樹種とのこと。葉が大変大きく肉厚だそうです。

 南参道に戻って、代々木の地名の由来になったモミの木を観察。

代々この地にモミの大木があったことから代々木の地名となったそうです。現在のモミの木は戦災で消失後植栽さ

れたもの。

 参道を歩く途中で、道路わきの草花の観察もしました。また、二宮講師が側溝に面白い生き物がいるからと言う

のでみるとミミズのような生物が。

ミスジコウガイ蛭という人畜無害の生物とのこと。教えてもらわないと全く気がつきません。

 更に大鳥居の近くで、人工林の証拠とも言える5兄弟の樹木、クスノキ、スダジイ、アラカシ、シラカシ、アカ

ガシが並んで植えられているところを観察。

 西参道では、スダジイ、大きなコナラなど観察後、北池近くでは、ヤマガラ、カワセミも見つけました。  

  神宮の周辺には、イヌツゲが垣根として植栽されていましたが、現在ではところどころ取払われていました。

今回の観察で私は普段は武蔵野の雑木林で活動しているので、樹種が多く、どんぐりでも今まで現物を見る機会が

なかったものを見ることができ自分の浅学菲才が恥ずかしくなりました。

 現在の神宮の森をみると人工的に作られた森とはとても思えない豊かな森になっています。改めて本多博士の先

見の明に感心すると同時にこの自然を維持・管理することの大変さを感じました。

 明治神宮の後、新宿御苑に入りましたが、こちらは神宮の森とは対照的に大名の庭園として造成されたことから、

樹種も桜や梅、キンモクセイなど花木が多く、木の間隔も充分にとってあり、どの松の木もきれいに剪定されてい

ました。江戸時代からの庭園ということで園内には東京都の指定巨木が何本もあり貴重な場所であることも分かり

ました。

 また、ぺカン、ラクウショウ、レバノンシーダー、シリブカガシなど珍しい樹木もあり、手持ちの植物図鑑では

検索ができませんでした。

 すばらしい森の向こうに高層ビルが立ち並んでいる景色が印象的でした。

 明治神宮も新宿御苑も外国の方が多く、特に欧米系の方はガイドがついて散策していることに少しびっくりしまし

た。いまや観光コースになっているのですね。私ももう少し頻繁にきて勉強をしないといけない気持ちになりました。

 本日は、明治神宮と新宿御苑という対照的な林相を見ることで、森や林、公園を造成するときに100年先の姿を想定

し、あるいはどのような使われ方をするのかまで思いを巡らせて関わっていくことの重要性を感じました。

 今日一日大変すばらしい研修に参加できて感謝しています。宝箱のような場所でした。全行程約10キロ歩きました。

     第1鳥居前で参加者全員

2017年9月2日(土) ケヤキ研修 寄居町

 参加者:12

                                                                           報告者:佐々木 侑慥

  ケヤキ研修会は9月2日()、埼玉県寄居林業事務所において、「ケヤキのクローン増殖と遺伝特性について」を

テーマに開催されました。講師は同林業事務所・森林研究室長の原口雅人氏、当会からは12名が参加しました。

  黛会長の挨拶、岩田顧問から講師の紹介があり、原口室長からスライドにより以下のような説明がありました。

また、午後は植栽されたケヤキを見ながら現地研修を行いました。

 

<講演要旨>

 「むさしの1号」といわれる枝が立って広がらないケヤキは日高町新堀の屋敷林においてみつけられた。幹の通直な

個体は林業的な価値があり、材価が高くなる。また、玉杢(たまもく)、達磨杢、赤ケヤキなど銘木といわれるものも

調査して、優良個体の選抜を行った。これらからむさしの1号、赤ケヤキ、玉杢のケヤキなどの腋芽から培養による

クローン増殖を行った。根から萌芽した枝や不定芽を試験管の中で伸ばすもので、試験管には腋芽を伸ばす成分や、

根を出す成分の溶液を入れておくものである。

  こうした方法で、樹齢1000年といわれる高齢、希少木のクローン増殖も行った。

 カバザクラの増殖も行ったが同一品種を一度に植える危険性、危険分散も必要である。

  また、埼玉県内の天然記念物のケヤキのクローン増殖を行い、農林総合研究所内に植えたものが樹形から疑問が出て、

DNA分析を行い、一部名称の間違いを確認できた。同様にサクラの品種についても調べたところ、単一クローンの品種、

複数クローンが含まれる品種、別名だったが同一クローンだった品種などが明らかになった。

  スギやヒノキは林業種苗法で移動範囲が制限されているが、広葉樹にはその制限はない。埼玉県は全国的な緑化木の

集積地である。そこで、県内のブナの状況を調べたところ、県内にないはずの日本海側のブナの植えられている場所も

あった。また、県内の天然木タイプでも分断化や集団サイズの縮小している場所もあり、近縁種による遺伝子の劣化等が

懸念される。

 

<現地研修>

 昼食後は車で移動し、鉢形城跡の斜面でケヤキとスギの混交林(杉は伐採され、現在はケヤキだけ残っている)を見学し

ました。(写真1)同じ時期に植えられたむさしの1号でも太さの4~5倍も違う木がありそれらを見て、原口室長は、

遺伝的なものは同じでも水分、土壌、周囲の木の影響などの生理的なものから育ち方が変わってくると説明されました。

 この後はむさしの1号が植栽された国道254号線沿いに美里町周辺を車で移動しながら見学(写真2)し、研修を終えま

した。車内から樹形を見てポプラのようだなどと話し、私はイタリアで見た糸杉の枝の出方を思い出しました。 


 

2017824日(木)  シダ観察会報告 日和田山

 参加者:11

                                                                                 報告者:関谷 由紀子

   824日(水)猛暑の1日でしたが、参加者11名で、日高市にある日和田山にて

「シダ観察会」が実施されました。

  どれを見ても似たような姿で、とかく敬遠されがちなシダ類ですね。

(イネ科やスゲ属あたりも同様)

  一つ一つじっくり観察し、解説していただくとその場ではわかったような気になりますが、

  あらためて「これは?」と問われると「あれ?!なんでしたっけ?」・・・の繰り返し。

 しかし、繰り返し見ていく中で少しずつ違って見えてくるから不思議です。

 

説明: C:\Users\秀夫\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCache\Content.Outlook\MGH7RFG6\IMG_20170824_124858.jpg この日は35種類のシダを観察することができました。添付の写真はあまり見ることのない(珍しい)

「オオキジノオ」です。

  1日だけではなかなか覚えられない(見分けがつくようにはならない)ですが、高杉さんは皆さんに

解説できるようになるまで4年かかったとおっしゃっていました。やはり、積み重ねが大切のようです。

  この観察会をきっかけにシダにも目が行くようになったのは私だけではないと思います。

早速、我が家に生えるシダを調べてみました。今までは結構邪魔者であまり目を向けなかったシダですが、

 特徴や名前が分かると見え方が違ってくるので不思議です。

高杉さん、そして、この観察会を企画してくださった役員の皆さま、有意義な観察会をありがとうございまし

た。

 

テキスト ボックス: オオキジノオ

 

 

          

ホラシノブ         シシガシラ      コバノイシカグマ

 

  

ホソバカナワラビ         ミゾシダ          ウラジロ

 

シダ観察会で観察したシダ一覧 観察地:日和田山   観察日:2017.8.24
     
  シダ名 特徴
1 ヤマイタチシダ 葉は裏側に巻き込む 丸いソーラス(胞子嚢群)が内側にびっしりつく
2 イヌワラビ 庭先に多い 軸が紫がかることが多い 葉先が急に細まる ソーラスは線形でかぎ型が混じる
3 クマワラビ ソーラスが葉の先端部分につき、秋に先端部分だけ枯れる
4 ノキシノブ 単葉
5 オオバノイノモトソウ 葉軸に翼がない ソーラスは葉のふちに1列に並び、葉がソーラスを巻き込む
6 ベニシダ 目立ちの頃、葉裏の胞膜が赤い 最下羽片の第1小羽片が小さい つやがあり固い
7 フモトシダ 葉裏に毛が多い カップ状のソーラスが葉のふちにつく
8 ゼンマイ 株立ち
9 ミゾシダ 葉柄に毛が密生、膜質の鱗片がつく ソーラスに包膜がない 
10 ワラビ 1m間隔ぐらいに1本ずつ葉が離れてでる 葉の先端に切れ込みが入らない
11 ハシゴシダ 羽片基部の上側がピョンと出ている
12 ハリガネワラビ 葉柄が針金状 最下羽片が下向きのハの字になる
13 トウゴクベニシダ 最下羽片の第1小羽片が小さくなく羽片の柄がほとんどない
14 ウラジロ 裏が白い 二股に分かれた1対の羽片 そこから次の新葉が生まれる
15 ホソバカナワラビ 固くつやがある
16 オオイタチシダ ペラペラでつやがある 最下羽片の第一小羽片が大きい
17 ヤワラシダ 下部の羽片の基部が細くなる
18 ミドリヒメワラビ 羽軸に狭い翼がある
19 ホラシノブ 裂片の先端にソーラスがつく
20 コバノイシカグマ 葉の両面に毛がある 列片の端にカップ状のソーラスをつける
21 イワヒメワラビ 葉の両面に毛がある
22 リョウメンシフダ 葉の表と裏が同じよう
23 ヤマイヌワラビ 紫がかった葉軸 ソーラスは三日月形
24 ホソバイヌワラビ ムカゴがつく
25 イワガネゼンマイ 葉脈が並行で合流しない
26 イノデ 葉軸に幅広い褐色の鱗片がつく 鱗片は褐色でふちに細かい突起がある
27 オオベニシダ 羽片に柄がある
28 ホソバナライシダ 大きく見ると葉が五角形
29 オオキジノオ 珍しいシダ 胞子葉と栄養葉の形が違う(2形)
30 シシガシラ 放射状の株
31 アイアスカイノデ 鱗片が細く真ん中に黒い筋がある
32 イワガネソウ 葉裏葉脈が合流し網目状
33 テリハヤブソテツ 葉に光沢がある
34 トウゲシバ 姿は芝状 葉の基部に黄色い胞子嚢 ムカゴをつける
35 サイゴクベニシダ 中軸に細かい鱗片がつく 葉は厚く最下小羽片の両端が耳状に膨らむ

 


2017年6月3日(土)  薬草研修会 東京薬科大学

 

薬草研修会

 

報告:小林 愼吾

 

 

 

 ■日時:2017年6月3日(土)

 ■場所:東京薬科大学(公開講座と見学会)薬用植物園見学

 ■日程:園内観察~学生食堂で昼食~公開講座参加~終了後解散

 ■公開講座:①「アロマセラピー精油と痛みの軽減への可能性」勝山 壮先生

       ②「薬草と毒草(2)」東京薬科大学 三宅克典先生

 ■参加者:16名

 6月3日(土)、東京薬科大学の公開講座に参加。併せて薬用植物園を見学させていただきました。

 東京薬科大学の薬用植物園は、思いの外広く樹木や薬草にしっかりガイド版がついていてわかりやすく勉強になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 薬草園では、先輩方のお話が大変参考になりました。特にカンアオイと思って見たものが、

実はタマノカンアオイだとのこと。あらためて同定の難しさを痛感しました。

 

 

  

また、サンシュユは、葉の裏面の主脈の基部に毛が密生しわかりやすいことなど興味深い話を

たくさんお聞きしました。

 

 

 

 

 お昼の時間になり、もう少し薬草園を見学したかったのですが、午後の公開講座に備え、学食で昼食をいただきました。

 公開講座は、勝山先生の「アロマセラピー精油と痛みの軽減への可能性」と三宅先生の「薬草と毒草(2)」の2本立て。難しい単語もありましたが、実験の苦労話なども交えながらわかりやすく説明していただき、楽しく拝聴いたしました。

 

 午前の薬草園での観察、学食での昼食、午後は専門の先生による公開講座と大変有意義な1日を過ごさせていただきました。

 

ボリジ

 

 

 

 

 

 

 

オオハンゲ

 

 

 

 

セイヨウナツユキソウ 

 

 

 

 

 

 

 

ワタチョロギ

 

 

 

 

 

ジャーマンカモミール

 

 

 

 


2017年3月12日 森林インストラクターの森で「土壌研修」 

                                               飯塚 明

 3月12日、久々に埼玉インストラクター会の森づくりに参加しました。自宅秩父よりまだ残雪の定峰峠を超えて、

9時都幾川村のせせらぎ会館に集合。全部で13名の参加だそうで、暖かな雰囲気で車に同乗させて頂き現地へ10分

程で到着。はじめウッドデッキを作る材木を運んだり、キノコのコマ打ちをしたりしました。コナラ、タブ、アカ

メガシワのホダ木にキノコ3種の菌を打ち込みました。電動ドリルや、駒打ち用のカナヅチを握りしめ8・5ミリの

穴を開け、駒(菌)を打ち込みます。500個の駒の入った袋が1500円で地方のホームセンターで売っているそうです。

1年半寝かせて来年の秋の収穫が楽しみです。駒打ち初体験でした! 

 

 11時より「土壌研修」でヒノキ林の斜面に掘った大きな四角い穴に集合、土の層が見えます。講師は森林インスト

ラクターの仲間で「土壌」専門家の森永直也さんです。まず、「森林土壌の分類体系」です。土の種類は気候や、

火山など他要因で成立する。そのうち日本の土の71%は「褐色森林土 B」で、このインストラクターの森のヒノキ

林も「褐色森林土 B」でした。次に実物の土の層を見て、「土壌断面層位の模式図」の学習です。土の層のでき方

は植生とも関連してとても大切なことだと、詳しく丁寧に説明してもらいました。たとえば、落葉を含むAo層がある

のが健全な土だが、ここはヒノキ造林地では健全な土ではなくなっている理由の説明がありました。「関東ローム層

とは何か」などいろいろ質問がでて、良い研修会でした。(私には知識理解が充分なくて申し訳なかったですが、

「土壌」のことを理論的に考える良い機会でした。)最後に講師より大切なことは、「土は固形物だけではなく、

他の要素が半分以上含まれる」「それは水と空気でそこで生物が命を育む土台だ。」と聞きました。なるほど~と

思いました。

 

 昼食は高杉さんが豚汁をみんなの分用意してくれて温かく美味しく頂きました。午後は、イタヤカエデの樹液採取

の状況を見たり、森に作っているウッドデッキの杭打ち(一級建築士の方もいるそうです。)を見たり、駒打ちの

残りをしたりして、最後に黛会長がユリワサビの花を見せてくれました。2時には解散でした。ありがとうございま

した。